事例紹介:ゲオホールディングス様

全国のエリア戦略の立案から実施までをワークショップを通じて実現〜社長以下、見学者が殺到したプログラムとは?

株式会社ゲオホ−ルディングス(以下「ゲオ」)は2015年から、今後の市場を見据え、大きく舵を切りました。全社一律ではなく「エリアごとに異なる戦略」の立案・遂行。トップダウン・本部主導ではなく「現場発信力の強化」、今回ご紹介するのは、これらの施策の成功の鍵を握る「ゾーン・マネージャー」を対象とした「RE:INNOVATION〜革新のサイクルを回して行こう!〜」というプログラムです。
このプログラムは、9ヶ月の間ほぼ毎月にわたって開催される、2日間×計7回のワークショップです。エリア戦略を立案・展開するために必要なスキルを習得し、重要エリアの戦略を実際に立案、全員が経営陣の前でプレゼンを行って認識をすり合わせ、現場での実行を進めるという一連の流れで構成されています。

川辺雅之氏

川辺雅之氏

三浦直昭氏

三浦直昭氏

遠藤結蔵氏

遠藤結蔵氏

ワークショップには、社長自らが毎回参加しましたが、その他に他事業部の幹部も殺到し、時にはゾーンマネージャーの数を超える参加者があったというほど全社の注目を集めたこの取り組みは、具体的にどのようなものだったのでしょうか。代表取締役社長の遠藤結蔵氏、メディア運営部ゼネラルマネージャーの三浦直昭氏、組織開発部人材開発課マネージャーの川辺雅之氏の3人にそれぞれお聞きしました。

ワークショップを軸にした一大ムーブメントが巻き起こった

 

プログラムの流れ

7回にわたるプログラムの流れ

プログラムは2015年6月から2016年2月まで、7回にわたるもので右記の図のような流れで行なわれました。

―今回の「RE:INNOVATION〜革新のサイクルを回して行こう!〜」の実施背景について教えてください。

遠藤氏: 各地域でのマーケティングをきちんと行ない、品揃えや価格の検討、店舗の大きさに合った商材の組み合わせなど、エリア戦略をきちんと立て、実行して行こうという全社的な方針のもと、実際にエリア戦略を考えるゾーンマネージャー(平均50店舗前後を統括する22名のマネージャー)に必要な実践的なスキルを身につけてもらおうというのが背景です。エリア戦略を本部が決めて下ろして行くのではなく、現場あるいはより現場に近いゾーンマネージャーが中心に立案し、実行に移して行くという流れを考えました。

―受講対象者であるゾーンマネージャー以外でも、社長をはじめ多くの方がこのプログラムに参加されたわけですが、実際に目にされてみていかがでしたか?

遠藤氏:知識だけなら本を読めば良い。知識や理屈をどう解釈して、自分たち流にカスタマイズして、実践するかがが肝だと思うのですが、PFCさんのプログラムを半年以上かけて受講してきて、参加したゾーンマネージャーたちが教わったことをどんどん「じぶんごと」として吸収し、こちらから特に指示した訳でもないのに、自主的に実践して行く様子が非常に印象的です。もちろん最初は「言われたからしょうがないので来ました」みたいな参加者もいたと思うのですが、回を重ねるごとに「自分が必要としている武器をここでつかみ取ろう」みたいな意欲がどんどん生まれてきたのを感じます。たとえば「こういう場でこういう風にファシリテーションを使ってみよう」とか「こういう人とはこういう風にコミュニケーションしてみよう」とか、自主的に始めている訳です。あるいは、発言力・プレゼン力ということをとってみても、参加者が毎回成長していくことが目に見えてわかりました。もともと法人営業などを行う職種ではないので、プレゼンテーションなどは得意ではないメンバーもいたのですが、これから自分の担当エリアの社員を動かして行くためには欠かせない力がついたと思います。

―受講対象者よりそれ以外の参加者の数の方が多かった時もありましたね。

遠藤氏: はい。そして傍観者になるのではなく、一緒に議論に参加するなどしました。私も含め毎回参加した社員も大勢いました。まさに社内の一大ムーブメントになったと思います。関連部署のメンバーも一緒に参加しているということは、彼らがエリア戦略立案の背景やプロセスを把握しているということで、実際にエリア戦略実施にあたって、実務がスムーズに進むというメリットもありました。

―どうやってそこまでムーブメントにすることができたのでしょうか?

遠藤氏: 「今のままではだめだ」という危機感を皆が持っていたのだと思います。「研修ではなく全社のプロジェクトなんだ!」というメッセージも出しましたし、担当者も積極的に声がけをしていました。

三浦氏: 今期から、「エリアに応じた戦略を作る!」という話をずっとしていて、まず「変わるんだ」「変わらなくては行けないんだ」というメッセージを皆が受け取っていたのもあると思います。なので「じゃあ、どう変わるんだ?」と注目も集まり、参加者が増えた。行ってみるとゾーンマネージャーが全員集まって毎月参加している。社長や事業部長も揃っている。「これは注目しないと!」ということもあったんだと思います。もちろん、私たちからも「誰でも参加できます」と積極的に声をかけたりしていました。

川辺氏: ただスキルを学ぶ、という研修ではなくて、変革を成し遂げるための「手段」としてしっかり位置づけられたことが良かったのだと思います。mtg 学びつつ、実践を組み合わせて、実際に戦略を構築して行っていた。毎回、会場では様々なものが生まれ、受講者も成長を続けていました。オブザーブされた方もそれは感じていたと思います。

参加者が自発的に動き始めた

―7回の中で特に印象的だったプログラムはありますか?

三浦氏: 自ら「自社の戦略」を整理し立案する研修や、勝ちパターン創造ワークショップを通じて、自分たちの強みであったり、競合と比べてどうなのか、お客様に選ばれる理由、あるいは選ばれない理由といったことについて、客観的に把握し、考えることができたことも良かったと思います。
※勝ちパターン創造ワークショップ:「お客様の心理状態」をストーリーにし、そのために必要なお客様に対するアクションを元に営業活動を組み立てていくプログラム(PFCのグループ会社プロジェクトプロデュースのオリジナルプログラム)

川辺氏: それぞれに意味があったと思いますが、ファシリテーションスキルはとてつもなく好評でしたね(笑)。受講後、1ヶ月立たないうちに、全員がもれなく部下のエリア長まで巻き込みながらファシリテーションを実践し、自分なりに部下にファシリテーションスキルを教えたメンバーもいたりしました。相当インパクトがあったのだと思います。
「勝ちパターン創造ワークショップ」も、独自のフローが使い易く、具体的なイメージができてすぐに現場の販売に生かせると好評でした。実際にこのフローを全員で考えて、各店舗に展開させている参加者もいると聞いています。

―経営陣への実際のプレゼンが折り込まれていることでより実践的なプログラムとなりましたね。プランしたことは当然すでに実行している参加者も多いそうですね。

遠藤氏:そうですね。参加者自らが作り上げた戦略ですから、やると決めたら迅速に実行してもらおうということで、既に実行のフェイズにも入っていますね。そこには参加者の数だけ違うやり方があっていいし、失敗したらそれでもいい。その中から、いくつか成功例は出てくるはずで、それを普遍的なパターンとして共有していければと思っています。

三浦氏:エリア戦略のエリアへの浸透、競合対策、エリア施策の導入、店舗のリニューアルなど、行なうべきことは多数ありますが、学んだことを使って、まずはやってみよう!と。あれだけ十分に考えて出した結果の戦略なのだから、様々な部署とも連携しながら、自分たちの思うようにやってみてください、と言っています。

―その他に、参加者の皆さんに現れた変化がありますか?

三浦氏: 学んだことをどんどん能動的に使っていますね。戦略を考える時の視座も高くなり、マーケティング用語も駆使しながら事業を俯瞰し、戦略についても何となく作るのではなく論理的に考えて組み立てられるようになった。
また
従業員満足度調査では、マネージャー層が昨年比で突出して高い結果となっていて、モチベーションにつながっているという結果が出ています。

川辺氏: フレームワーク等を学ぶことで、今まで何となくやっていたことによりどころができて、根拠をもってしゃべれることで自信が生まれ、堂々とプレゼンできるようになっているなと感じています。

途中から「研修」の名前が消えた

―プログラム作りに当たってのPFCとの共同作業はいかがでしたか?

川辺氏:PFCさんは、密に意見交換をしながら、われわれの状況や要望に常に真摯に耳を傾けてくれ、われわれの要望を実現するために必要なプログラムをカスタマイズして提案してくれました。それはプログラムの内容だけではなく、たとえばオブザーバーが研修に参加するなんてことも、快く受け入れてくれて、お仕着せのプログラムではなく、われわれが本当に必要としているものを常に提供してくれました。いちばん象徴的だったのは、最初は「ゾーンマネージャー研修(次世代経営者育成プログラム)」という名前だったこのプログラムが「RE:INNOVATION」という名前に変わったことです。実際にワークショップをやってみたら、参加者の自発性が思ったより高かったこと、そしてそれをより大切にしたいという思いから、プログラム内容の見直しと合わせて、「研修」という名前をやめたんです。こういったフレキシビリティもPFCさんならではだと思いました。
実際のワークショップの中でも、ファシリテーターの方が、教えるスキルももちろんですが、受講者の声に真摯に耳を傾けてくれるのもよかったです。受講者がどんな発言をしても否定せず、上手い形にまとめていく。そういったPFCのファシリテーターのあり方そのものが、自分たちが現場に戻ってファシリテーションなり、部下と接する際の手本になっています。アクティブリスニングのスキルとか、目力とか、身振り手振りといったことまで、いろいろなものを盗んでいるようですよ(笑)

参加者の皆さんにお聞きしました。

ゾーンリーダー

写真左から水谷氏、玉井氏、小林氏

道央・道南ゾーンマネージャー 水谷学氏
本などでは目にしていた知識もありましたが、実際にやってみる機会はあまりなかったので、ワークショッップの中であるいは現場に戻って実践できる内容で非常に有り難かったです。ワークショップを経て、戦略を実施する上での概念や言葉が、他のメンバーと共有できるようになったのも良かった。

関西ゾーンマネージャー 玉井真一氏
実を言うと、研修がはじまるまでは、「なんで今さら自分たちが研修?」という思いもあったんです。しかし、始まってみるととても勉強になって「受けたい!」という気持ちがどんどん湧いてきました。マーケティングに関する話はまさに自分たちが知りたいと思っていたことだったし、ファシリテーションスキルひとつとってみても、受講後、自分のとりまとめる店舗の店長会議を教わったスキルでやってみたら、参加者からも評判が良く、これからも社内に広めて行きたいと思います。

中南部九州ゾーンマネージャー 小林宏次氏
いままで、部下の意見を引き出す、やる気にさせる手法は場当たり的にやっていたけれど、具体的なアプローチの方法が学べたことが良かったです。一般的な話ではなく、他社事例等もふんだんにあり、自分に引き寄せて考えることができたのも良かった。教わったスキルや考え方は、エリアに持ち帰ってすぐに使える実践的なものばかりだったと思います。

1年近くかけてクライアント共に作りあげ実践してきたこの取り組みは、現在、GEOのエリア戦略として着々と実を結び、各店舗で実施されつつあります。PFCでは戦略作りから、戦略の浸透・実施、そしてプロジェクトプロデュースとの協業により現場レベルでの確実な落とし込みまでをサポートしています。グローバルな組織・事業での実施ももちろん可能です。どうぞお気軽にお問い合わせください。