事例紹介:パーソルキャリア株式会社様

Google との対話を通じて、自立した人材づくり/自発を促す組織風土づくりの鍵を確認する

パーソルキャリア株式会社で行われている「ZIBOON」は、パーソルグループが掲げる「人と組織の創造インフラへ」というビジョンの実現に向けた、パーソルキャリア自体の人と組織づくりの取組みです。詳細はこちらをご覧ください。

PFCは「伴走者」としてプロジェクトに関与し、議論の材料や組み立ての準備で戦略人事統括部を、そして当日の議論のファシリテーションで経営陣の皆さんをご支援しています。ここでは、2017年12月にパーソルキャリアの経営陣が「Google Partner Plex Tokyo」に赴き、Google  の経営陣や社員の皆さんと行った対話セッションの一部をご紹介します。パーソルキャリア代表取締役社長の峯尾太郎様、コーポレート本部本部長の木下学様、および戦略人事統括部・エグゼクティブマネジャーの加々美祐介様に お話しをお伺いしました。


 

加々美氏

加々美氏:
毎月行ってきた経営陣によるロングミー ティングの中で、ある時PFC の松村さんから、「ZIBOONを進めていくのに、Google をベンチマークしたらどうか」という提案がありました。確かにGoogle は自由な働き方をしている自律的な人材で満ち溢れていて、私達が目指す姿を既に確立しているようなイメージがあり、大いに参考にしたいと考えました。

 

PFC松村
『How Google Works(私達の働き方とマネジメント)』などの書籍で公開されていますが、Google が進めてきた組織づくりは、組織開発の世界で長年こうあるべきと考えられてきたことそのものを実践されているように見えます。従って、誤解を恐れずに言えば組織開発の世界にいる人間からすると実は特段、目新しいことは多くないとも言える。
しかし、私達のようなコンサルタントが組織開発はこうすべきと言うだけでは響かなかった人達も、Google が実現していると聞くと多くの人が関心を持つと思いましたし、何よりGoogle  は様々な組織開発の有用性を「データ」で証明していることが説得力を持つと考えました。

 

木下氏

木下氏:
Google から学ぶために本なども読んで、ある程度理解はできたし、 ヒントになることも多いと思ったものの、弊社の経営陣の何人かからの反応は、「具体的な運用イメージが湧かない点がある」というものでした。
例えば、半年に一度の評価面談に留 まらず頻繁に1:1のミーティング を持つというが、その頻度で1:1 のミーティングをするうえでどのくらいの配下マネジメント人数になっているのか、何をどうフィード バックすればメンバーの成長が促されるのか、などです。

 

PFC松村:
経営陣の皆さんからのそんな声を受けて、実際にGoogle の皆さんと対話ができたらよいのではないかと考えたというのが、今回の Google 訪問のきっかけでした。ちょうどGoogle は2年前に「Google Partner Plex Tokyo」をオープンし、非日常空間でお客様企業の経営陣と活発に話し合う取組みを始めていました。PFCともコンタクトがあったので、パーソルキャリア経営陣15人の皆さんとの対話セッションをお願いしたところ、 快く承諾していただきました。

 

加々美氏:
当日のプログラムはとても充実したもので、Google の皆さんには感謝してもし尽せません。セッションは、3つのパートで構成していただきました。1つ目は人事部長のギャリー・チャンドラーさんとの対話で、テーマはGoogle の人と組織に関する考え方。2つ目はGoogle Cloud Japanの阿部伸一さんとのAI時代におけるワークスタイル変革に関する対話。そして、3つ目は6人もの社員の方に出てきていただいて、現場でのピープルマネジメントの実際について。
Google でのセッションの後、夕方から夜にかけては、Google から離れてPFC松村さんのファシリ テーションで、パーソルキャリアの 経営陣だけでこの日の対話を忘れないうちに消化するセッションまで行いました。

 

PFC松村
Google との対話を通じて、今後 ZIBOONを進めていく上で、経営陣の皆さんにとって最も参考になったのはどのような点でしたか?

Google 人事部長のギャリー・チャンドラーさんによる講義風景

 

峯尾氏

峯尾氏:
Google の社員の皆さんとのセッションは、とても有意 義なヒントを与えてくれました。本では読んでいましたが、特にリアリティを直接確認したかった。マネジャーが具体的にどのよう な行動をしているかが知りたかった。特に私は、「マイクロマネジメントをせずに成果を出すために、どのようにマネジメントしているの か?」を根掘り葉掘り聞きました。6人の社員が語るマネジャーとの接し方を聞いていると、中にはマイクロマネジメントと思えるよう な例もありました。しかし、本人達は、決してマイクロマネジメントさ れていると感じていないというの です。極めて適切なマネジメントをしてもらって、とてもありがたいとマネジャーに感謝している。つまるところ、マイクロマネジメントその ものにはいい・悪いはないのだ、と私は理解しました。

業務知識が不足していて、どうしてよいかわからず困っているときには、「細かい指示」がもらえるととてもありがたいと感じるはずなのです。受け手が、マネジャーによるマネジメントを「適切に感じてい るか否か」が重要なことだと気づき ました。さらには、そもそもマネ ジャーとメンバーの関係性の質が 良く、適切なマネジメントスタイル についての合意がされていることが鍵だということがよくわかりま した 。

 

木下氏:
Google の社員の皆さんが、自身の上長の素晴らしさを生き生きと話す姿が印象に残りました。「あなたもマネジャーになりたいか?」との質問に対して、皆が「マネジャー になりたい」と語る姿には、説得力 がありました。 働く環境についても、自律と自由が具体的にどのように促進されているかがよくわかりました。転職者に「前職との違いは何か?」との質問をしましたが、「与えられたり教えてくれたりすることがないことだ。Google では組織図すらなく、プロジェクトが終わった後にプロジェクトを自分で作らないといけない。プロジェクトも管理されない。情報もオープンに共有されるからこそ、自分で取りに行かないと何も得られない。しかし、やりたいことがあり、自発的に進めようとする人には、会社がその環境を自然に用意してくれている。」という答が返ってきました。社員には大いに主体性を求めつつ、一方で会社は主体性を引き出す工夫を随所に施し続けることが組織運営の鍵だと思いました。

 

加々美氏:
私は、人事部長のギャリー・チャ ンドラーさんが語った「世界観を創 りあげ守り続けること」が、人事の仕事としてとても大切だと改めて 感じました。Google では、世界観を 明確に示し、結果としてそうした世界観が作られていますが、その世界観の醸成は、採用から始まっていま す。世界観にフィットした人を採用し、その人達が創り出す文化や世界 観、サービスに惹かれて更に優秀な人が集まってくるという好循環が生まれています。 Google の社員が語るマネジャー の仕事は、ほとんどがピープルマネ ジメントのように聞こえました。そのことを問うと、「もちろんプロ ジェクトマネジメントも行っている。しかし、ピープルマネジメントこそが重要。なぜなら、素晴らしいチームさえ作れたら、何だってできるはず。」というコメントが返ってきて、一人ひとりの成長を促すZIBOONの組織を考える上でとても考えさせられました。

PFCは、組織開発のパートナーとして、クライアント企業の経営陣が集まり将来の方向性や中期戦略を話し合う場のファシリテーションを行なっています。競合との差別化や、顧客ニーズへの対応と言ったことはもちろんですが、PFCでは、そのような検討だけでなく、その企業の社会における存在意義をとことん追求し、グローバルイシューを事業機会と捉える戦略の立案を支援しています。さらに詳しくお知りになりたい方は担当コーディネーターまたはpfc@peoplefocus.co.jpまでお気軽にお問い合わせください。