お知らせ
2025.02.03(月) お知らせ
■HR Techカンファレンス & Expo 2024 参加報告② ~企業変革を推進するマネジメント層が学ぶべきAIリテラシー
皆さんの会社の経営者の方々はAIリテラシーを十分にお持ちでしょうか?
AI(生成AIを含む)は業務プロセスの効率化だけでなく、経営戦略や企業文化そのものを大きく変えていきます。この変化の中で、企業の変革を推進するためには、経営層やマネジメント層が率先してAIリテラシーを身に付けることが不可欠です。
自社にとって重要な課題なのに、ビジネスリーダーの知識や理解不足によって、ビジネスリーダー自身が変革の足枷になる、あるいは無意識のうちに変革の抵抗勢力となってしまう。PFCがこれまで多くの企業で組織変革のプロジェクトをご支援してきた中で、何度も目にした光景です。AIでも同じことが起きてはいないでしょうか。日々飛躍的に進歩する新しい技術については、このような傾向が顕著になってくるのではと想像されます。
本記事では、「AIリテラシーを獲得する」ことがマネジメント層にとってなぜ重要なのか、また獲得したAIリテラシーを実践に活かす方法について、2024年にラスベガスで開催されたHR Techカンファレンス&Expoで得た洞察を基に考察します。

AIリテラシーとは?
AIリテラシーは、AIとは何かを理解し、それを業務に応用する能力を指します。AIの仕組みを知るだけでなく、具体的な業務課題を解決する力や、AIがもたらすリスクとその適切な対応方法を理解することが含まれます。このような考え方をベースに持つことで、企業は単なる技術の導入にとどまらず、戦略的にAIを活用できるようになります。
例えば、AIを活用して顧客データを分析することで、より精度の高いマーケティング施策を実現したり、業務効率化を進めたりすることが可能です。一方で、AIの限界や潜在的なリスクを理解しないまま活用すると、組織に混乱をもたらす恐れもあります。そのため、AIリテラシーは現代のビジネスリーダーが備えるべき必須の能力だと言えます。
なぜマネジメント層にAIリテラシーが必要なのか?
AIリテラシーを学ぶ意義は、単にAIを理解することにとどまりません。それは、質の高い意思決定を支え、企業変革を円滑に進めるための土台となります。ここでは、経営層の視点と変革推進の視点から、その必要性を解説します。
まず、経営層にとって、AIの本質とその限界の理解は質の高い意思決定を行うために欠かせません。AIは膨大なデータを分析し、意思決定に役立つインサイト(示唆)を提供しますが、その結果を鵜呑みにするだけでは不十分です。AIがどのようなプロセスで結果を導き出しているのか、その限界を理解することで、より信頼性の高い判断が可能になります。また、AIを事業の競争優位性の源泉として活用するためには、経営層自身がその価値を深く理解し、企業全体での戦略的な活用をリードする必要があります。
一方で、変革推進の観点では、AIリテラシーは効果的なリーダーシップの発揮の前提となります。ジョン・コッター教授が提唱する「変革を進める8つのステップ」でも指摘されているように、現状組織で起こっていることへの理解や認識の不足が変革の大きな障壁となることがあります。AIに対しても同様で、AIへの理解や認識が欠如すると、無意識のうちに変革を妨げる抵抗勢力となる危険性があります。特に、シニアメンバーには「新たな技術の進歩に自分たちはついていけない」と思い込んでしまう傾向が見られ、そうした企業では、変革の緒にすらつけないことが少なくありません。
また、AI導入は現場に不安をもたらすことがあります。例えば、従業員が「自分の仕事がAIに取って代わられるのではないか」と感じる可能性は少なくありません。マネジメント層がAIの利点を的確に伝え、従業員を巻き込むことで、信頼感とエンゲージメントを高めることが可能です。さらに、AI導入が組織文化や業務プロセス全体を見直す契機となる中で、マネジメント層が果たす役割はますます重要となっています。
UMUのAIリテラシーコースの可能性
HR Techカンファレンスでは、さまざまなAIを活用したサービスが紹介され、既存のサービスにAIを違和感なく組み込むUI/UXの作りこみに感心させられました。同時に、これらのサービスの裏側にあるAIの仕組みについてもある程度の理解をしておいたほうがよいのではと感じました。
では、経営層やマネジメント層のみなさんがAIリテラシーを身につけるにはどうしたらよいのでしょうか?
カンファレンスから帰国して調べてみると、現在、AIを理解するための学習コンテンツの多くは技術者向けもしくは一般向けのものでした。そして、学習フォーマットは、技術者やコンサルタントによるレクチャー型のセミナーや動画コンテンツ形式がほとんどであることがわかりました。
そこで、このような一方通行のものではなく、普段PFCが提供しているような新たな発見や気付きを促すための参加者との双方向の対話、新たなスキルを習得するための練習とフィードバック、そしてビジネスの現場で実践に移すための参加者同士の意見交換等が組み込まれたコースはないものかと探してみました。
発見したのが、UMUテクノロジージャパンがちょうど新たに開発した「AIリテラシーコース」です。
「AIリテラシーコース」は、UMUの開発・創業者であるドングショー・リー氏が、200本以上のAIに関する最新の研究成果を基にした専門的な論文を読み込んだ上で、AIの全体像を、技術者ではなくマネジメント層の人達が最もスムーズに理解できる形で体系的に再整理したものです。一般のビジネスリーダーであっても理解が促進されるような工夫が随所になされています。また、開発した教材は、数か月ごとに最新の情報や知見が反映されていくものになっています。
このコースは、UMUのプラットフォーム内で提供され、参加者がプロンプト(AIに対する指示文)を実際にUMU内で書き込み、即時にAIによるフィードバックを受けられる実践的な仕組みを用意していることが特徴です。これにより、AIを理解するだけでなく、直ぐにビジネスで活用できるスキルを短期間で習得することが可能です。
さらに、またUMUでは学習の進捗や成果をデータとして管理側で可視化できます。この機能によって、企業全体での教育効果を評価し、継続的な改善を図ることができます。
ネット環境さえあればいつでもどこにいても学習ができるので、シニアメンバーが人知れず練習を重ねられる環境が整っている点は、多忙なマネジメント層にとって大きな利点です。
まとめ
AIが経営戦略や企業変革において必要不可欠な存在になる中で、特に経営層やマネジメント層がAIリテラシーを身につけることは、組織の未来を切り拓くための第一歩です。小さなコストで効率的に学び、実践的なスキルを身につけられるUMUのAIリテラシーコースは、まさに現代の企業リーダーに最適なソリューションと言えます。
ご興味のある方は、PFCまでお問い合わせいただくか、直接UMUのハンズオンセミナーに参加してみてください。
【新宿/大阪開催】生成AIの時代に “AIリテラシー” を身につける 〜ハンズオンセミナー〜https://umujapan.co.jp/event/ai_literacy_seminar_2025
【オンライン定期開催】生成AIの時代に “AIリテラシー” を身につける 〜ハンズオンセミナー〜https://umujapan.co.jp/event/ai_literacy_online_seminar
AIというツールを活かすのは、それを使いこなす「人」です。AIリテラシーを通じて、組織全体で変革を推進する力を育みましょう。

山口真宏(やまぐちまさひろ)
ピープルフォーカス・コンサルティング
PFCテクノロジーパートナーシップリード
シニア・コーディネーター