コラム

2025.04.01(火) コラム

3月はB Corp Month。さまざまなイベントが開催されました!

サステナビリティ事業推進室長の千葉達也です。

3月は、B Corp認証を取得している企業・団体がグローバルで一丸となり、ムーブメントを起こすB Corp Month 2025でした。PFCもこのムーブメントに賛同し、イベントの主催・登壇・参加と様々な形で関わりましたので、その概要をお伝えします。

B Academics Japan Chapter(3月14日)

B Academicsは、2016年にアメリカで設立されたネットワークで、教育者、研究者、学生、実務家がB Lab・B Corporationの認証・ベネフィットコーポレーションを研究し、持続可能なビジネス運動を加速することを目的としています。

現在、67か国にネットワークを展開しており、日本での活動の促進を目的として株式会社日本総合研究所とB Market Builder Japan(BMBJ)が中心となって今回の交流会が開催されました。

交流会では、日本国内での取り組み事例も紹介され、PFCからも多摩大学大学院の寄付講座「21世紀の良い会社条件」について多摩大学の客員教授・PFCのファウンダーでもある黒田由貴子が紹介しました。法政大学の大学生に向けた授業の事例紹介では、教授がオンラインで授業を行った際、もっと詳しく知りたいという生徒がキャンパスに訪ねてきたエピソードがあり、B Corpが少しずつ広まっていることを実感しました。

その後の懇親会では、拓殖大学の方から日本における最初のB Corpに関わった際の苦労話を伺うなど、普段話す機会のない方々とも親交を深めることができました。

当日は黒田が多摩大学寄付講座の取り組みを紹介しました

恵比寿ソーシャル映画祭Vol.25「ゴースト・フリート」」(3月19日)

PFCは、売上高の1%を「世界平和と子供達の幸福のために捧げる」ことを20年以上継続しています。具体的には、様々なNPOへの寄付がメインで、私はその候補団体の選定に関わってきました。選定にあたって様々なNPOの話を伺う中で、社会には本当に色んな課題があることを知り、その課題を一人でも多くの人に知ってもらう方法としてソーシャル映画の上映会を開始しました。コロナ禍で長い期間休業していましたが、B Corp Monthの企画の一環として、今回、約5年ぶりに復活しました。
特に協力してくださった企業・団体は以下の通りです。

【特に協力してくださった企業・団体】
・一般社団法人Earth Company
上映作品「ゴースト・フリート」の紹介およびプロモーションの協力

・株式会社TOMAP(B Corp)
映画を上映する会場の提供および当日の会場運営のサポート

・株式会社 UMITO Partners(B Corp)
映画上映後、海のサステナビリティに関する解説にゲストスピーカーとして登壇

映画「ゴースト・フリート」は、漁船で奴隷のように働かされている人々によって捕獲された魚の実態を伝える内容で、私も初めて見た時に衝撃を受けました。上映後、UMITO Partnersの岡本さんが海のサステナビリティの専門家として、IUU漁業(Illegal, Unreported and Unregulated)という国際問題やその解決策について解説してくださいました。また、UMITO Partnersの取り組みとして、北海道でのミズダコの漁獲量をモニタリングし、科学的根拠に基づく基準値を設けて時には自主的に規制するなどの事例が紹介されました。

映画祭当日に参加したBCorp関係者による集合写真
UMITO Partnersの岡本さんによる海のサステナビリティの解説

B Corp ギャザリングイベント(3月21日)

B Corp Month 2025のキャンペーンテーマ「Gen B(ジェネレーションB)」に沿った日本国内のB Corp関係者があつまるギャザリングイベントにも参加しました。会場にはBMBJ(B Labの日本公式パートナー)をはじめ、B Corpとして認証された企業やB Corpを目指す企業、ムーブメントを支える関係者、そしてオンラインからの参加者も合わせると、約100人の参加がありました。

(イベントにはB Corp認証企業より様々な商品の提供がありました)

イベントでは日本においてB Corpが50社を超えたことお祝いするメッセージ動画が世界各国から届けられており、B Corpはグローバルコミュニティで、手を取り合って進めるムーブメントであることを再認識する機会となりました。

また、BCorpというキーワードで集まることによって、個人としても業界の垣根を越えて色んな方と知り合い語り合うことができます。その中で、環境に配慮したビジネスの考え方を知ることができるなど、たくさんの新たな知見を得られました。

【B Corp Month所感】
BCorp Month 2025全体を通して感じたのは、関係者が持続可能な社会の実現に向け、利益を追求するだけでなく、ステークホルダーも含めて物事を考える必要性について妥協することなく改善に取り組んでいることです。B Corp認証は取得することがゴールではなく、スタートなのだというのをB Corp Monthでの企業との連携によって実感しました。日本におけるB Corp認証を取得している企業数は55社(2025年3月時点)とまだ多くはありませんが、このムーブメントを発信し、共感してくれる個人・企業を増やしていくことで、持続可能な社会の実現に少しでも貢献していきたいと思います。
参考:IUU漁業について |WWFジャパン


千葉 達也(ちば たつや)
株式会社ピープルフォーカス・コンサルティング 
サステナビリティ事業推進室長