Web版 組織開発ハンドブック
ソーシャル組織開発
B Corp認定への道:出発
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B Corpとはなにか?
Certified B Corporations (認定B Corp。以下B Corp)をご存知でしょうか。認定B Corpとは、ビジネスの力を活用して、すべての人々と永続的な繁栄を共有するグローバルなムーブメントの中心にいる営利企業を認証する仕組みです。ペンシルバニア州にあるB Labによる認証制度で、「B」は「Benefit(利益)」を意味し、環境やコミュニティ、従業員等に対するBenefitを指しています。
参考: B Corpの概要紹介の動画(英語のみ)
B CorpはPFCが目指していることそのもの
その定義を見ると、それはPFCが目指していることそのものでした。1994年の設立以来、PFCは利益を生み出すマシンではなく、経済発展から取り残される人々の苦痛や夢に共感し支援しようとする心を持った組織でありたいと思っていました。
一方で、PFCを非営利団体にすることは考えていませんでした。ビジネスがもたらす創造性とダイナミズムを信じているからです。このような想いの下、PFCはNGOへの寄付やプロボノ(無料奉仕)などのCSR(企業の社会的責任)活動と、カンボジアやウガンダの人々向けのライフスキルプログラムの開発と提供を行うCSV(共有価値の創造)活動の両方に積極的に取り組んできました。
近年、このような考え方は主流になりつつあり、SDGs、ESG、SRIへの取り組みのコミットメントを公に発表している企業も多くなりました。もっとも、その一部には「SDGs ウォッシング」と非難されるべき企業も含まれるかもしれません。
私たちPFCは、これらの「偽の」企業とは違うことを証明し、このトレンドの最前線を走り、クライアント組織を正しい方向に導くことができるように、客観的で公式なお墨付きを得るべきと判断しました。かくして、2021年1月に、B Corp認定への旅に乗り出したのです。
B Corpの高い認定基準
いざ、B Corpの認定基準を精査してみると、そのハードルの高さに我々はややおののいてしまいました。
たとえば、PFCは毎年、売上の1%(利益ではなく売上)を社会的目的に寄付しています。想像するに、もし上場会社であれば、株主たちが、これはとんでもないことだと騒ぎ、実行を許さないでしょう。ところが、B Corpの基準では、この程度のことは「普通」なのです。
もう一つ乗り越えなければならない課題のひとつとして、環境問題への取り組みがあります。一般的に言って、プロフェッショナルサービス業界にとって環境は「マテリアルな課題」(重要な課題)とは見なされず、PFCもこれまで注力することはありませんでした。(個人的に環境問題対策に取り組んでいる従業員は何名かいます)。ただし、B Corpの認証では、環境問題を見逃すことは許されません。
社員一丸となってB Corp認証に取り組む
B Corp認証を取得することは、長い時間と多くの人の協力が必要だと認識したので、PFCの全従業員に、興味や意志がある人は参画してほしいと呼びかけました。すると驚いたことに、従業員の約40%が手を挙げました。恐らく、この他にも参加はしたいが、クライアントの仕事で忙殺されていてあきらめたという従業員もいるのではないかと思います。
果たしてPFCが認証を得ることができるかどうかはわかりませんが、約1年間かけて、修正すべきこと、着手すべきことなど必要なことは何でも取り組んでいきます。このブログでは随時、その進捗や学び、苦労などを語っていきます。ぜひ我々の新しい挑戦にご注目ください。
最後に、認証取得時のPFCはどうなるのかとPFCの従業員に聞いたときの、彼らの答えを紹介いたします。
グローバル基準でソーシャルに取り組んでいると自他ともに認識できる、それが誇れる会社
もっと環境にやさしい会社
常に社会目線を忘れずに三方よしを体現できる会社
この認証をとることによって、PFCが足元から強くなるイメージ。メンバーも安心して常に半歩先を歩いてクライアントをいざなえるようになっている。
規模は小さいけれど誇れる会社だ、と家族に自慢できるようになりたいと思いました。
社員1人1人がPFCの仕事が社会課題の解決につながることを自分事として意識し、それが仕事を進める時の判断基準になっている。
ソーシャルODという言葉がもっと広まり、後に、「あれはPFCが先駆けなんですよ」と言えるようになる(ファシリテーションを最初に日本に紹介した~というフレーズのように)
日々の業務とサステイナブルが紐づき、個々の日常生活にも活かされていく会社
この活動を通じて、各人とPFCのパーパスがより強くなるとよいと思いました。リモートで各人自立していても、ビジョンとパーパスを共有する組織であり、クライアント&社会をいざなってます!と。
今まで取り組んできた社会貢献などが世界基準で認められ、自分がそのPFCの一員だと自慢できるようにしていきたい!
世の中にとってベネフィットがあると分かりやすく表現できるだけでなく、今後、PFCが長く生き続けていける基盤になる活動