Web版 組織開発ハンドブック
2022.06.23(木)
パーパス
なぜパーパスが注目されているのか
企業のパーパスとは、社会におけるその企業の存在意義、すなわち「何のためにこの社会に存在しているのか」を明確にするものである。
パーパスは、2017年頃から欧米企業の間でブランディング戦略の一環として取り上げられるようになった。ミレニアル世代以降の消費者たちは、社会課題に対する感度が高く、企業にその責任を求めるようになってきたことが背景にある。世界的ベストセラー『WHYから始めよう』の著者であるサイモン・シネック氏が語る次の言葉に、その要諦がある。「人々はあなたが『何を』(WHAT)するかではなく、『なぜ』(WHY)それをするのかに動かせる」。
さらに、パーパスをブランディング戦術から経営の指針にまで押し上げたのが、「フィンク・レター」だといえよう。フィンク・レターとは、世界最大級の資産運用会社であるブラックロック社のCEOラリー・フィンク氏が、毎年、投資先企業に宛てる書簡であり、今や企業経営の指針として注目されている。その2018年のフィンク・レターは、「企業はパーパス主導でなければ長期的な成長を持続できない」と訴えた。以来、パーパスを経営の中心に置くことが世界的潮流となった。
企業のパーパスの定め方
PFCでは、次の3つを探求することを通じて企業のパーパスを制定することを推奨している。
①そもそも我々はどのような社会を作りたいのか
②我々はその社会を作るのにどのように貢献したいのか
③使命(ミッション)と将来像(ビジョン)はどうあるべきか
PFCのパーパス制定支援事例は こちら
参考記事:黒田由貴子ブログ記事 「今、問われるパーパス経営」
個人もパーパスを
パーパスを定めることの有用性は企業だけでなく個人にも当てはまる。
個人のパーパスとは、「自分は社会にどう役立ちたいのか」ということである。自分のライフ・ヒストリーを振り返りながら、自分のやりがいの源泉を探り、何のためにエネルギーを注ぎたいのかを言語化していくことで、パーパスは明確になる。自分のパーパスが明確である人は、モチベーションに溢れ、自発性・積極性が高い傾向にある。
参考記事:若手に仕事のやりがいを感じさせるには?リーダーシップ開発のすすめ①:パーパスの活用