Web版 組織開発ハンドブック

2022.06.05(日)

アンコンシャス(無意識)・バイアス

 アンコンシャス・バイアスとは、無意識に起こる偏った見方のことである。組織でダイバーシティ(多様性)を促進することの重要性が高まる中、その阻害要因の一つに、人々が持つアンコンシャス・バイアスがあると考えられている。採用、評価、登用などにおいて、組織の多数派とは異なる属性を持つ人に対して正当な評価ができなくなるという問題があるのである。

 心理学や認知心理学では、バイアスは「人間が持っている認知のゆがみ」と称され、脳が推論し調整することで生じる。これは人間であれば誰しもに起こる作用である。その推論は、自分が置かれている環境は積み重ねた経験を基に一般化することで成り立つ。この一連の作用は無意識に行われていることが多い。たとえば、自分の身近な女性は家事をしている環境で育った人は、「家事は女性がするもの」というバイアスを無意識に持ちやすい。

 ダイバーシティを促進する、すなわち多様な人財が活躍できる組織を作るために、アンコンシャス・バイアス研修を取り入れる企業が増えている。研修では、自身の持つ認識の偏りやゆがみに気付き、それに対して違った視点を取り入れることを学ぶ。