コラム

2025.06.30(月) コラム

人事が変える社会のかたち~HRは社会を変えることができる

PFCが賛同する“コレクティブ・アクション2030”とは

こんにちは、サステナビリティ事業推進室長の千葉達也です。
以前に、GCNJ(グローバル・コンパクト・ネットワーク・ジャパン)が推進する「コレクティブ・アクション2030 DEI」を、企業が連携して社会課題に取り組む活動として紹介しました。その後、各社の様々な取り組みが進み、活発な活動がされる中、PFC(ピープルフォーカス・コンサルティング)としても、より良い社会の実現に向け賛同・署名していくことを決定しました。今回は、改めてコレクティブ・アクション2030の取り組みの全体像とPFCとしての取り組みを紹介したいと思います。

GCNJがコレクティブ・アクションを通じて目指す未来

出典:GCNJコレクティブ・アクション2030

GCNJ(グローバル・コンパクト・ネットワーク・ジャパン)は、国連が提唱する「グローバル・コンパクト」の理念を日本で広めるため、2003年に設立されました。現在では600以上の企業や団体が参加し、環境、人権、労働、腐敗防止の4分野を中心に、15の分科会が持続可能な社会の実現に向けて学び合い、行動しています。自社が参加してるかな?と思われた方はぜひこちらから検索してみてください。加入企業・団体一覧 | 組織概要 | グローバル・コンパクト・ネットワーク・ジャパン

気候変動の深刻化やSDGsの達成期限が迫る中、社会課題は依然として山積しています。こうした状況を受け、大きな成長を遂げてきたGCNJも、その力を結集してより大きなインパクトを生み出し、課題解決を促進することが重要であると考えました。

そこで、2024年には新たなパーパス「持続可能な地球環境と社会の実現を目指して、世界と繋がりともに行動する」を掲げ、5つの重点領域(バリューチェーン管理、気候変動・生物多様性、DEI、人権・働きがい、腐敗防止)で連携し、持続可能な未来に向けて取り組んでいます。

HRが働きかけられる分野もある

重点領域の1つであるDEI部会では、目指す姿として「一人ひとりの強みや個性が最大限に発揮され、誰もがWell-being(心身ともに満たされた状態)を実感できる社会」を掲げています。そして、その実現に向けた取り組むべき課題として以下の2つを設定しています。

  • 働く場所・時間に制約のある社員が公平に力を発揮できる環境を整えること
  • 性別を問わず、誰もが家事・育児・介護に参画できる環境を整えること

これらは、HRが働きかけることができる分野である一方で、企業単体では解決が難しく、社会全体の仕組みや環境の変化も求められます。だからこそ、GCNJでは企業同士が協力し、知見や取り組みを共有することで、社会全体の変革を目指しているのです。

ちなみにPFCではこれに関連して以下の2つの目標とアクションを掲げました。これまでもこれに近いことは実行されてきましたが、あらためて掲げることでさらに取り組みを進めていければと考えています。

1. 多様な意見の尊重

働く場所や契約形態に関係なく、社員の多様な視点が受け入れられ、積極的に意見を「言い尽くし、聞き尽くし」、意思決定に反映される環境づくりを目指します。

2. 全社員が持続的に家事・育児・介護に関われる環境の実現

休暇を取ることは、心身の健康を保つために不可欠です。特に家事・育児・介護に追われる社員が疲弊しないよう、仕事だけでなく生活全体を支える環境をつくります。

組織開発を通じた社会開発への貢献

DEIが目指す姿の実現には、制度をつくるだけではなくお互いの状況を思いやる意識の改革も並行して必要です。PFCでは、これまでにもインクルーシブ・リーダーシップ研修やアンコンシャス・バイアス(無意識の偏見)研修などを通じて、多くの企業のDEI推進を支援してきました。
これからも、自社内でのアクションはもちろんのこと、企業のDEIや組織開発の支援、そして事例やナレッジ共有またその先に続く社会開発への貢献を目指していきたいと思います。

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DEIサミット2025 -GCNJコレクティブアクション2030- 参加報告 | PFC


千葉 達也(ちば たつや)
株式会社ピープルフォーカス・コンサルティング 
サステナビリティ事業推進室長