お知らせ
2026.01.05(月) お知らせ
■年頭のご挨拶(代表取締役 松村卓朗)

新年あけましておめでとうございます。
旧年中は、皆さま方には大変お世話になり、ありがとうございました。
2026年も、サステナビリティを念頭に置いた組織づくりやリーダー育成、『これからの善い会社の条件(仮題)』の出版等を通じたよりよい社会づくりを目指した発信、グローバル企業のパーパス浸透や組織開発・人材開発のお手伝いなどにいっそう力を注ぎ、様々な取り組みを行っていく予定です。ブランチャード事業部では世界で最も活用されているリーダーシッププログラムのひとつであるSLII®が3.0にバージョンアップして登場します。
また、昨年末にはオフィスのリニューアルも行いました。新しくなったオフィスでの公開講座やイベントも色々と計画していきます。
皆様にとって、素晴らしい2026年になりますように。本年もどうぞ宜しくお願い致します。
2025年から2026年にかけてのトピック/キーワード
さて、この記事では、「2025年から2026年にかけてのトピック/キーワード」として3つを取り上げ、ご紹介したいと思います。
PFCが着目する2025年から2026年にかけてのトピック/キーワードその1
これからの「善い会社の条件」とは? :
B Corpを軸にしたサステナビリティ組織開発
企業が社会的・環境的責任を果たしているかどうかを評価し、基準を満たす企業に認証を与える国際的な基準であるB Corp。弊社は、2023年2月に日本では20社目のB Corp認証企業となりましたが、世界では1万社近くの企業が認証されているものの、日本ではB Corpの知名度がまだ低く、本来このムーブメントを牽引することが期待されるはずの大手企業の認証数もほとんどありません。
このような現状や、弊社ファウンダーの黒田由貴子が多摩大学の大学院の客員教授に就任したことなどをきっかけとして、一昨年から多摩大学の大学院で寄付講座「21世紀の善い会社の条件」を提供するようになりました。社会人の受講者が多く集まる講座で、講座内での議論も毎回熱く繰り広げられています。
授業は、2週間に1回、黒田を筆頭として弊社のコンサルタントたちが行い、B Corpの考え方を軸にしてサステナビリティ経営を志向する企業が考えるべき論点や、既にB Corpとなっている企業の取り組みなどを議論の材料として提供してきました。
昨年はこの授業の内容を本にすることを決め、今年2026年3月に「これからの善い会社の条件(仮題)」として出版されることが予定されています。
B Corp認証を得るためには、企業が従業員や顧客、社会に対して責任を持ち、サステナビリティ(持続可能性)を重視し、健全なガバナンスを実践していることが求められます。「利益だけを追うのではなく、ステークホルダー全体のために事業を行う存在」であることをB Labから認証された企業がB Corp企業となれます。
「B Corp」と「組織開発(OD: Organizational Development)」との関係はとても密接です。B Corpは 言わば「組織の理想像」 を表現した存在といえます。ステークホルダー資本主義に基づき、従業員や顧客を大切にし、地球環境や地域社会に誠実に向き合う企業の姿を示しています。
一方、組織開発(OD)は、その理想にたどり着くための 「組織の内側を変えるためのプロセス」 です。つまり、B Corpは “目的地”、組織開発は “到達手段”という関係にあると私達は考えています。
本が出版された暁には、是非皆さんにも手に取って読んでいただきたいですし、サステナビリティ経営を志向しつつ組織開発を進めていく指針・ガイドとしてご活用いただきたいと思っています。
また、多摩大学の大学院の講座は今年も引き続きの提供を予定していますので、関心ある方は是非お気軽にお問い合わせください。
PFCが着目する2025年から2026年にかけてのトピック/キーワードその2
有価証券報告書の2026年問題:
人的資本・サステナビリティ情報開示の強化
皆さんは有価証券報告書の「2026年問題」をご存じでしょうか。
多くの上場企業では昨年、この問題への対応に追われたのではないでしょうか。
2026年3月期決算から、有価証券報告書における人的資本・サステナビリティ情報(非財務情報)の開示が大幅に強化・拡充されます。投資家にとっては企業価値を評価するためのサステナビリティ情報の質と量が向上すること、ならびに、企業にとってもこれまでの「やらされ感」から脱却し、人的資本を企業価値創造のエンジンへと転換させることが期待されています。
人的資本では特に、男性育休取得率や男女間賃金格差などの開示義務化によって、企業はより詳細で具体的な情報開示が新たに求められることになります。従業員数や離職率などの定量情報に加え、育成施策・多様性推進・従業員エンゲージメントなど、戦略的な人的資本マネジメントの方針を自社の言葉で記すことが求められます。
これまで人的資本の情報は「サステナビリティに関する方針等」の中の一項目として扱われていました。しかし、そもそも「サステナビリティ」という言葉が指す意味は広いため、開示は総花的になりがちで、人的資本もその中に点在する状態でした。しかし、今回の改正で、人的資本の項目は独立した体系となります。(「人材育成方針・社内環境整備方針」などの項目が独立して設けられます。)
この制度変更は、財務情報と非財務情報の接続性を企業に問うもので、企業は「人材戦略」と「経営戦略」との整合をより明確に示すことが求められます。要するに、「過去の財務データだけでは、現在の企業価値を推し量れないし、ましてや企業の将来に向けての成長の確かさを表したものではない」とする投資家への説明責任を果たせるように、有価証券報告書のあり方を変えるというものです。
従って、企業の側も、この制度変更を単なる情報開示義務の強化と捉えるのではなく、「人的資本」を経営の根幹として捉え、その強化を将来の企業価値向上につなげるための重要なステップと位置づけているかが問われている、と認識すべきと考えています。
さらには、サステナビリティに関する情報開示においても、新たなルール策定が進んでいます。
時価総額が3兆円以上の企業(70社程度)は2027年3月期に終了する事業年度から有価証券報告書への適用が決まっていて、徐々に拡大しプライム市場全企業に広げられていきます。(3兆円未満1兆円以上の企業は2028年3月期以後に終了する事業年度から、1兆円未満5000億円以上の企業は2029年3月期以後に終了する事業年度から。)
まず、サステナビリティ基準委員会(SSBJ)のサステナビリティ開示基準(SSBJ基準)が適用されます。また、温室効果ガス排出量のスコープ3(自社の事業活動に関連するサプライチェーン全体で発生する広範囲な間接排出)に関する定量情報については、セーフハーバー・ルールが適用されます。これは、将来見通しの開示に対して一定の免責を認めるもので、あらかじめ定められた特定の条件や基準を満たして行動する限り、法的な責任(違反や罰金など)を問われない範囲を指し、企業が法的リスクを恐れずにイノベーションや積極的な情報開示に取り組めるようにするためのルールです。
そもそも、有価証券報告書の作成は金融商品取引法に基づく厳格な義務ですし、投資家の保護と資本市場全体の信頼維持を目的とした仕組みを支えるものともなっています。しかし、そこに免責を認めるというのは、「必ずしも明確な見通しが立たなくとも、不確かでも、企業の将来の方向性を(罰しないので)勇気を持って示せ」というメッセージに聞こえます。
また、人的資本開示の強化・拡充からは、つまるところ「人が生み出す価値とは何か」ということが問われているように感じるのは私だけでしょうか。
有価証券報告書の「2026年問題」、すなわち、人的資本・サステナビリティ情報開示の強化・拡充が背景にあるからか、最近は経営幹部の皆さまに向けた、サステナビリティ経営やパーパスの策定・浸透をテーマにしたワークショップをご提供することが増えています。ご関心ある方は是非ご相談いただきたいと思います。
PFCが着目する2025年から2026年にかけてのトピック/キーワードその3
AI⇒AGI(Artificial General Intelligence)
2025年から2026年にかけてのトピック/キーワードとして、3つ目に取り上げたいのは、AI⇒AGI(Artificial General Intelligence)です。2026年は、特定業務を支援するAIから、複数領域を横断して判断・提案する“準AGI的AI”が実務に組み込まれ始める年になるといわれています。
現在のAIのレベルは、Chat GPT-4などは日本でも医師国家試験の合格最低点を上回るなど人間に追いつき、人間を優に超えていきつつありますが、全人類の叡智の10倍に達するAGI(Artificial General Intelligence)がいよいよ視野に入ってきています。ソフトバンクの孫正義氏は、AGIに到達するのは2027年と言っていますが、テスラのイーロンマスク氏は2025年~2026年と予測しています。
さらに、AGIの次のASI(Artificial Super Intelligence)という言葉も聞かれるようになりました。ASIは、全人類の叡智の10,000倍です。ASIの到来は向こう20年以内と言われています。
このようにAIの進歩や発展のスピードはますます著しくなり、私達の生活や仕事の仕方を劇的に変える大きな可能性を見せるようになっています。
そのような中、AIに関する色々なご相談をいただくようになりましたが、示唆やサービスをお届けすべく、2025年に私達は次のようなトライを行いました。
- 「経営陣が備えるべきAIリテラシーとは」: UMU社(ラーニングプラットフォームのトップランナーであり、AIリテラシーコースを提供しています)との共催ウェビナーを開催させていただきました。
AIはまだまだ、人間の身体で言えば「静脈」的活用(=無駄な業務を減らしたり、組織をより効率化するための活用)に留まっていて、「動脈」的活用(=組織をより活性化させたり、新たな何かを創造的に生み出すための活用)には踏み出せてすらいない企業が多いという問題意識を共有しました。そして、AI活用という変革推進における経営層のリードを促すためにHRは何をすべきかという題材を提供しました。 - 『ぼちぼちはたらく AI共生論』(桐原永淑・IT批評編集部編著)の出版に携わらせていただきました。
私は第2章「ダイバーシティを育む健全な組織の条件」を担当しました。出版に向けた打合せの過程では、第4章「マイノリティの意見をすくいあげる ファシリテーションAIの可能性」を担当された東京大学准教授の馬場雪乃さんとも、AIを活用したファシリテーションについて様々な意見交換をさせていただきました。 - 「生成AIを使って実際の業務改革を行うワークショップ」(Dooox社との共同提供)をサービスラインナップに加えました。
「AI活用を促進するトレーニングのみならず、各自の業務を持ち寄って、その場でAIを活用した業務改革を指導してもらって、持ち帰ってもらうようにしたい」といった要望を、多くのクライアントからいただくようになりましたので、それに応えるものです。もちろん、弊社の業務においても同様に、AIを活用した業務改革がどんどん進んでいます。
生成AIのさらなる活用に、皆さんも様々な取り組みをされていると思います。2025年に行った上記のようなトライから、ご要望に合わせてご提案できる幅は広がっています。遠慮なくご相談いただければと思っています。
今年も新たなチャレンジがたくさん待っているので、私達自身とてもワクワクしています。
本年も皆様と、組織開発・人材開発に関する様々な取り組みをご一緒させていただくことを、心より楽しみにしております。

松村卓朗
ピープルフォーカス・コンサルティング
代表取締役
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