Web版 組織開発ハンドブック

2022.06.01(水)組織開発

オフサイト・ミーティング

オフサイト・ミーティングとは

 オフサイト・ミーティングとは、職場を離れた場所(off-site)で行う会議(meeting)のことである。その目的は、日常業務の喧騒から離れ、会議に集中することがことであるが、日常より高い視座や柔軟な発想で物事を考えたり、率直で活発な話し合いを行ったりすることも狙いである。

 なお、海外では上級幹部がリゾート施設のようなところで行うオフサイト・ミーティングのことを、リトリート(retreat)と呼ぶこともある。英語のリトリートとは、「隠れ家」の意味である。

オフサイト・ミーティングで取り上げられる課題

オフサイト・ミーティングで取り上げられる課題には次のようなものが一般的である。

1. 各人の性格や行動特性について学んだり、望ましい協働関係や組織文化について検討する(チームビルディング)
2. 組織や事業の戦略的方向性を定める
3. 特定の課題について検討し、対策についてコンセンサスを得る

オフサイト・ミーティングに必要な工夫

 オフサイト・ミーティングは、典型的には、10人から20人の規模で、半日から数日間の長さで行われる。これだけの工数を投入するのであるから、ミーティングの生産性を高めるために、様々な工夫が必要である。具体的には、居心地のよい環境づくり、集中力が途切れないようにする演出、コミュニケーションのとり方についての参加者への指導、話し合いを見える化するための道具、話し合いをナビゲートするためのファシリテーション、といった工夫である。そのため、多くの組織は、オフサイト・ミーティングの設計と運営を数多く経験しているプロのファシリテーターに協力を依頼している。

 最近では、ホールシステム・アプローチという、数十名あるいは100名を越すような大人数の参加者に対応できる話し合いの手法も生まれてきている。