コラム

2023.03.31(金) コラム

「心の声」にどう対処するか?(マイケル・グレイザー)

ビジネス・アナリストの長所と短所

 最近、あるビジネス・アナリストのリーダーと話す機会がありました。彼女によれば、ビジネス・アナリストの職業には、ビジネスセンスに優れ、他人とうまく付き合え、非常に分析的な人が多い傾向があるそうです。

 彼らの良いところは、解決すべき真の問題を理解し、全員の意見を一致させ、ニーズや要件を詳細なレベルで検討することで、プロジェクト全体をより成功に導くことができるところです。細部へのこだわりも強く、あいまいさや混沌から秩序を生み出すこともできます。また、物事を偏りなく、ありのままに明確に伝えることができるのも強みです。

 一方で、この強みを発揮しすぎると、マイナス面も出てきます。「こだわりモード」に陥ると、細部にまでこだわって基準を厳守するようになり、その結果、自分のやり方と違う人と衝突してしまうのです。また「こだわりモード」になると、自分の中の高い「こだわり」の基準を満たせずに批判し続け、自分にも他人にも不満や憤りを感じてしまうことがあります。また、完璧を求めすぎると、燃え尽き症候群になり、精神衛生上もさまざまな悪影響を及ぼす可能性があります。

「こだわり」をどう管理するか?

 では、精神的・感情的に健康な状態を維持するためには、これらの傾向をどのように管理すればよいのでしょうか。まず、自分の思考パターンに気づいたら、それを識別してラベリングすることが重要です。例えば「私のチームのメンバーは怠け者で、信用できない」と自分に言い聞かせるのではなく「私は、自分のチームのメンバーは怠け者で、信用できないという考えを持っている」と思考を組み替えるのです。この単純な転換によって、私たちは一歩引いて、より意識的で慎重な対応を選択することができるようになります。これによって「このメンバーは、私が目指しているような高い水準には達していないけれど、実際にはクライアントの要求をすべて満たしている」と気づくことができるかもしれません。

自分の「基準」をチェックし、傾向を他者に伝える

 自分自身や他者に課す基準を真摯にチェックすることは重要です。その基準は、本当にステークホルダーからのものなのか、それとも自分自身の高い期待に基づくものなのか。自分自身とオープンで正直な対話ができれば(これは難しいことですが)、フラストレーションの根本的な原因を特定し、うまくコントロールする方法を見つけやすくなります。

最後に、自分の傾向を他の人に伝えることも重要です。完璧を目指すなら、周囲に弱音を吐いて苦悩を共有することで、信頼関係を築き、他の人が安心して発言できる環境を手に入れ、自己判断を克服することができるようになります。細部にこだわるビジネスプロフェッショナルにとって、完璧を追求したり期待したりする傾向があることを認識し、管理することは重要なことです。自分の思考パターンに気を配り、合理的な基準で自分に責任を持たせることで、精神的・感情的な健康を維持し、最終的にはプロジェクトやキャリアにおいてより大きな成功を収めることができるのです。

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