クライアント事例

ブリストル・マイヤーズ スクイブ株式会社様

変革リーダー育成でCx推進を支援
「サイエンスを通じて、患者さんの人生に違いをもたらす」をビジョンに掲げるブリストル マイヤーズ スクイブ。その日本法人であるブリストル・マイヤーズ スクイブ株式会社(以下BMS)が目指すのは、業界のゲームチェンジャーとして、2023年までに250万人の日本の患者さんの人生に違いをもたらすことです。実現に向けた施策の一つが、「患者さんのBMS製品経験(Customer Experience:Cx)」を向上させるCx活動の推進です。「顧客体験」の実現と顧客中心の文化醸成を図るために、各部門から推進リーダー(Cxアンバサダー)を選出し、キックオフからの一連のオンラインワークショップ「Cxアンバサダープログラム」をPFCが支援させていただきました。

企画・事務局であるコマーシャル・エクセレンス部門カスタマーエクスペリエンスリードの中西慎氏、シニアマネージャー山名恵理子氏に、本案件でメイン・コンサルタントを務めたピープルフォーカス・コンサルティング、山田奈緒子がお話を伺いました。

統合後、Cxを組織の共通言語づくりの契機に

PFC

全社で取り組む初めての風土改革活動を支援させていただきましたが、どのような成果が得られたとお考えでしょうか?

中西氏

当社は昨年7月に2つの異なる文化を持った企業が経営統合したため、新たな組織体制の中でこれからどう一体化していくのか、社員の間に疑問や不安がありました。そのタイミングでこのワークショップがあり、共通言語やその定義について考える機会があったことが良かったと思っています。もちろん会社のビジョンは1つですが、それには各部門が共通言語を持って活動しなければなりなりません。
しかし、当初は「Cx」という言葉ひとつとっても部門によって捉え方が異なり、「顧客=国」「顧客=医師」「顧客=社員」など定義がバラバラでした。しかし、ワークショップで我々の存在意義を突き詰めることで、この定義がまとまってきました。当社にとっての顧客とは各部門が最初に接する顧客ではなく、その先にいる患者さんであり、Cx=「患者さんのBMS製品経験」という共通認識を持つことができました。また、そのCxは自部門だけでは実現できないので、他部門や外部パートナーとの連携が必要であることも再認識できました。これまで異なる言語を使っていた各部門のアンバサダーが共通の目標を持ち、他者をどう巻き込んで、どういう体験を届けることができるか、といった部分の整理ができたことがワークショップの成果のひとつだと捉えています。

Cx=風土改革。変革リーダーのチェンジマネジメントが鍵

山名氏

実際にCxアンバサダーの皆さんがCx活動に前向きに取り組んでいるのは、まさに期待していたことで、非常にうれしいです。PFCさんが「Cx=風土改革」という考えに基づいてプログラムを設計してくださったこと、ワークショップの中で変革のための強力な推進ツールや手法を教えてくれたことなど、ワークショップに対するアンバサダーの評価が高く、それが現在のモチベーションにつながっていると感じています。アンバサダー一人ひとりと話をする中で、「その場限りで続かないだろう」といった話が出てこなかったのは、こうしたワークショップでは珍しく、期待を超える成果が得られたと感じています。

PFC

ワークショップは終わりましたが、その後Cxアンバサダー活動の進捗はいかがでしょうか?

山名氏

自部門の状況に応じてCxアンバサダーが取り組みを検討し、チームメンバーや上長と相談しながら進めているところです。プログラム実施の1カ月後にフォローアップを行った際には、参加したアンバサダーから「PFCさんに“変革”にフォーカスしていただき、“変革の落とし穴と基本ステップ”について説明していただいたことが大変勉強になった」というコメントもありました。ワークショップで学んだ内容を実際の活動にどう落とし込んでいくかについては、まだ迷いを感じる部分もあったようですが、ワークショップで使用したワークシートなどを活用しながら、少しずつ歩みを進めている様子が感じられました。

オンラインプラットフォームを活用して変革リーダーのコミュニティを形成

PFC

今回のプログラムはオンラインプラットフォーム(UMU)を使い、ワークショップ自体もオンラインで行いましたが、いかがでしたか?

山名氏

UMUに数多くのコンテンツを載せて、オンラインで学習できるようにしたのは非常に良かったと思います。アンバサダーの中でオンライン研修を受講したことのあるメンバーは少なかったと思います。それだけに、1つの「場所」を用意して、そこに全てのコンテンツを保管して自由に閲覧できるようにしたことで、研修中に「迷子になる」ことを防げたと思います。

PFC

オンラインコンテンツは弊社のものだけでなく、御社のコンテンツがあったことがアンバサダーへのインパクトにつながったと思います。山名さんには、動画コンテンツで思いを込めてプロジェクトの意図や概要を説明いただきましたし、何といっても、役員の方々にはビデオメッセージを掲載して、アンバサダーを鼓舞いただきました。

山名氏

役員はビデオメッセージに非常に協力的で、それぞれのカラーが出ていたと思います。会社のミーティングなどでは限られた役員としか接点を持つことができませんが、各部門のリーダーのCxについての考えを知ることができたことは、アンバサダーにとってCxをかみ砕いて理解する上で参考になったと思います。

中西氏

 UMUは本来、学びあいを促進するツールとしても活用できますから、今後はたとえば、Cxアンバサダーが他の人の考えや取り組みから学んだり、日頃、何か不安を感じた時などに情報交換や交流ができるような活用方法ができるとよいと思います。

オンラインでも対話のパワーは損なわれない

PFC

そのほかに成功要因として挙げられる点はありますでしょうか?

中西氏

PFCさんと何度もディスカッションを重ねながらワークショップを作り上げた点は大きかったと思います。丸投げでお願いするのではなく、こちらの目的や背景を示した上で、第三者の視点を交えて、目的を達成するためにはどんなワークをすべきか、かなりの時間をかけて率直な意見交換をすることによって、良いワークショップにすることができたと思います。

PFC

お二人は、変革推進の事務局として、どのような学びがありましたでしょうか?

山名氏

以前は製品に関わる研修に携わっており、このようなマインド醸成の研修を担当するのは初めてでした。Cxチームに異動して日が浅かったこともあり、自分自身も変革の基本ステップを学び、折に触れて振り返られる良い教えを得ることができました。また、ワークショップに一緒に参加したメンバーとは、一緒に考えたり共通言語を持てたことで、話をしやすくなった実感があります。

中西氏

対話のインパクトの大きさを改めて実感しました。今回のワークショップでは、PFCさんに工夫してもらい、話し合いの時間を必ず設けていただきました。そのおかげで、2時間半や3時間半のワークショップでありながら、時間がたつのが早く、対話から得るものも多いので、参加者の満足度は高かったと思います。普段、部門が異なるとなかなか話す機会がありませんが、冒頭で共通言語ができたことで、互いに違和感なく話せたようです。私自身、部門の違いからくる考え方の違いなど、新鮮な学びや気づきが得られる場になりました。

気づきをもたらすファシリテーターの視点

PFC

PFCの提供価値について、率直な感想をお願いします。

中西氏

外部の研修機関へ依頼するメリットの1つに、ダメなものはダメとはっきり言ってもらいやすいという点があります。第三者から言われて初めて気づくことは多いですし、社内の常識が社外から見れば非常識ということもよくあります。その点で、PFCさんには鋭い語り口で良いコメントを頂くことができて、期待通りでした。もっとダメ出しをしてもらっても良かったくらいです(笑)。

山名氏

ワークショップの実施前に、たくさんディスカッションさせていただいたことで、第三者の視点でさまざまなご意見を頂いたり、ワークショップや事前のコンテンツなどについていろいろな工夫をしていただけました。ワークショップもオンラインだとだらけやすい傾向がありますが、タイトな時間の中でスピード感を持たせながらも理解を置き去りにせず、腹落ちしやすい内容にしていただくことができたと思います。参加したメンバーからも、ファシリテーターの説明が非常にわかりやすかったというフィードバックがありました。参加者がファシリテーターの名前までしっかり覚えていることから、良い意味でかなりのインパクトがあったのではないかと思います。

PFC

今後のCx活動計画について教えてください。

山名氏

ワークショップでアンバサダーと共有したCx活動計画を、部門全体、そして会社全体に広げていく予定です。各部門の業務にCxの視点を入れていく上で、アンバサダーの役割はますます大きくなっていくと思います。Cxチームとしては、これからも引き続き必要なプログラムを検討・提供しながらアンバサダーの活動をサポートしていきます。