コラム
2021.12.12(日) コラム
「フラッグハント」を使った体験型チームビルディング研修
PFCでは様々なチームビルディングプログラムをご提供していますが、今回は中でも最近注目されている「フラッグハント」というスポーツを使った体験型チームビルディング研修をご紹介いたします。
頭脳と体を使うスポーツ「フラッグハント」
三菱商事の都市開発本部 事業開発室は国内外で長期にわたる大規模都市開発・都市運営事業を推進する部署で、注力事業となった事で、近年メンバーが増え急拡大している組織です。新旧メンバーがいる中でコロナ禍でオンラインでのコミュニケーションも多く、相互理解を図る機会が持ちづらい中、いかにメンバー間の関係構築を育むか、それによって一体感のある効果的なチーム構築を実現するかが課題でした。また仕事柄「0から1を生み出す」ことや、変化する状況に対して、PDCAを素早く回して柔軟に対応できるチーム作りを目指されていました。
ご相談を受け、様々なプロラムを検討する中で、今回選ばれたのはフラッグハントを使ったチームビルディング研修でした。
フラッグハントは、ビーム状の赤外線で対戦相手を狙う赤外線ツールを使い、相手チームと戦いながら、競技時間(3分)内に相手陣地にあるフラッグ(旗)を先取した方が勝利するという、頭脳と体を使うシューティングスポーツです。1チーム5名~7名が2チームで対戦します。
フラッグハントを用いた研修の特徴は、フィジカルな身体を動かすゲームでありながら、赤外線ツールという道具を用いることで、運動能力や体力差が生じ難いスポーツであること。そして「チームワーク」が勝敗に大きく作用する点にあります。実際、他社では「足に障害があり、チーム員として貢献できるか不安だったが、作戦立案やディフェンスなど自分ができることを見つけてチーム勝利に繋げられることができたので、自信になった。」といったコメントを頂いたこともあります。
さらに、「3分」という短い時間内で“作戦会議→試合→振り返り”というPDCAを高速回転させることで、チームの強みや課題も明らかになっていきます。今回は専門スタッフが各チームの行動を、効果的なチームの3要素(ベクトル、プロセス、ヒューマン)に沿って、観察し、各チームの特徴や強みや課題、また各メンバーのリーダーシップをフィードバックする仕掛けも取り入れました。
自身やチーム活動について振り返る
では当日の模様を参加者の方のコメントも交えながらお伝えしましょう。今回は、都内のフットサルコートで、十分な感染症対策を行いながら実施しました。
研修は下記のような流れで進行しました。
- 研修の主旨説明
- チームと各チームリーダーを発表、フラッグハントのルール説明
- “作戦→試合→振り返り”の流れで6試合実施
- その間、インストラクタが各チームのチーム活動をチームの3要素に沿って観察、記録
- 講師(PFCシニア・コンサルタント松岡未季)よりハイパフォーマスチームに必要な3要素をレクチャー
- インストラクタより観察した内容を各チームにフィードバック
- 強化策を基に、再び12試合実施
- その間、インストラクタが各チームのチーム活動を観察、記録
- 講師やインストラクタよりチーム活動についてフィードバックし、自チーム活動を振り返る
- フラッグハントで見られた行動と、職場でのチーム活動を紐づけ、職場でのチーム活動に活かせる学びや気づきを話し合い、アクションプラを作成する
参加者の方からは様々なコメントが寄せられていますが、カテゴリー別にご紹介しましょう。
<他者理解・相互理解の深まり>
・つらい場面や楽しい場面の双方において、皆さんの様々な表情や表現を見ることができ、相互に理解が深まった・お互いの強みや適切を考えた上で戦略を立てて一つのチームをブラッシュアップさせる体験を通じてより深い相互理解が得られた
・普段ゆっくり話す機会が無い人とも、じっくり意見交換することができたので、よりフラットなコミュニケーションをとることができ、距離が縮まったように感じ
<チーム運営に関する気づき>
年齢・社歴に拘わらず、リーダーの策定した戦略をもとにお互いに協力しながら目的を果たす(フラッグをとる)ことを通じ、各チーム員の役割を決めながらも、状況の変化に応じてお互いに状況を確認しながら、微妙に役割を変化させつつ、ゴール(変わらないもの)を目指すことを通じて、チーム員の役割の大切さや、お互いの意思疎通の重要さ、状況変化の対応には全員で対応することが大きく結果に影響することが分かった。
<チーム内のコミュニケーション向上>
・体を動かす事で、デスクワークと比してよりチームメイト間の連携が可視化され、鮮明に個々と集団の言動・傾向を把握・分析する事が出来たと思う。また瞬時な判断/行動が迫られた為、上下関係に起因する忖度等がない、タイムリー且つ効果的なダイレクトコミュニケーション(報告・相談・指示)の有効性を認識すると共に、許容できるようになったと思う。・否応なく一体感が出るものであった。
「PDCA」ではなく「ODDA」にもフォーカス
また、この研修の中では「PDCA」ではなく「ODDA」にもフォーカスが当てられました。PDCAは決まったオペレーションの改善など、先が予測しやすい状況下で活用されますが、ODCAは先が予測しづらい状況下で力を発揮します。現状から判断し、スピーディに意思決定を行うことが必要な、新規ビジネス創造等に適している考え方です。今起きている事象を観察し(Observe)、目標達成に向けて仮説を立て(Orient)、仮説を評価し具体的なアクションプランを決定し(Deside)、行動する(Action)ということです。
これについては下記のような感想も寄せられました。
業務遂行上、ステークホルダーが沢山おり、刻々と取り巻く状況も変化する中で、ゴール(都市開発・都市運営に係る新規事業を発掘する)に向かって仲間と協力して調整しながら進める点に共通点を見出すことができた
プログラム終了後はほぼ全員が「本プログラムが実際の業務でも生かせる」と答えられました。
仮説を検証していきながら物事を改善していくプロセス、フォロワーとしてリーダーを支える上で気を付けるべきこと、自分ばかりでなく相手の立場に立ったコミュニケーションの仕方や役割分担の仕方等、そのまま業務に行かせる気づきが多くあり、大変ためになりました。
「探していた要素がすべて入った研修だった」
導入を決定された三菱商事の片山様は導入の決め手についてと、実際に導入されての手ごたえについてこのように語られています。
「前例のないゼロから1を作る事業を推進している当部門においては、①如何に相互理解を通じ、Know Howを共有できる強いチームを作るかという点と、②失敗を恐れず自分の建てた仮設を実践していく中で状況に応じAgile的に戦略を変えていくフレキシビリティのある事業推進が求められており、そういった事を仮想的にメンバー全員が経験できる研修をずっとPFCに相談しておりました。
今回このフラッグハント研修を紹介され、まさに自分としても探していた要素がすべて入った研修であると感じました。一方で正直ゲーム的な要素が強いことで社内的に承認されないのではないかとの不安要素もありましたが、目的や内容を人事部門がよく理解して貰えた事で実行にこぎつけました。フラッグハントをやるのは全員初めてだったことや、若手をあえてリーダーにしたことで普段の上下関係のある業務とは違うフラットな立場で皆が「相手に勝つ」というシンプルな目的の為に戦略を立てたり、語り合えたことがまずは大きな収穫でした。
普段見られない年長者や若手の知られざる姿を相互に見ることができたことで、その後の業務でも今までに無いような一体感が醸成できた事は期待していた以上の結果となりました。また、最初は負け続けだったチームがOODAループを回し、改善を積み重ねることで強いチームになっていった事もあり、皆が戦略的に物事を進めていく事や失敗を重ねながらも改善を重ね結果を出していく過程を体験出来た事も非常に良かった点だったと思います。
研修を終えてもチーム内で研修内での体験を業務の合間に語るような機会も多く、皆の心に残るような素晴らしい研修になったと感じています。」
様々な企業で活用されているフラッグハント
フラッグハントはこれまでにも大手IT企業様、日本たばこ産業様、大手製薬メーカー様などでもご体験いただき下記のような感想をいただいています。
・実戦→実践→振り返りでPDCAの重要性が体感できた
・上下関係なく対話が生まれ、ゲームを通して一体感が高まった。今後職場で頻繁に相談しやすくなった。
・チームで作戦を立て、スリルがある中で戦う。普段ではできない体験だった。
・普段おとなしい人が活動的だったり、若手がリーダー役を担うなど、普段見せない一面を発見できた。
チームビルディングはもちろん、リーダーシップやフォロワーシップを身につけるためにも適したプログラムです。興味のある方はこちらのフォームもしくはPFCシニアコンサルタントの松岡までお気軽にお問い合わせください。 また、フラッグハントのような対面型だけではなく、オンライン型のチームビルディングプログラムやチーム効果性調査などチーム作りに役立つ様々なプログラムもご用意しています。
フラッグハントの詳細はこちら(外部サイトに飛びます)
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