コラム
2024.01.01(月) コラム
年頭のご挨拶(代表取締役 松村卓朗) ~PFCの2024年の新たな挑戦~
新年あけましておめでとうございます。
旧年中は、皆さま方には大変お世話になり、ありがとうございました。本年も、昨年に引き続き、どうぞよろしくお願いいたします。
新しい年、皆様はどんな取り組みをお考えでしょうか。
この記事では、「PFCの2024年の新たな挑戦」を取り上げました。
私達PFCが、今年新たに着目し挑もうとしているテーマは、すなわち現在多くの企業が力を入れて取り組んでいる、あるいはこれから取り組もうとされている領域です。ぜひ本記事をご一読いただき、本年の皆様の取り組みの参考にしていただければと思います。
「アフターコロナの施策」と「サステイナブル経営」に取り組んだ2023年
PFCではここ数年、年の初めに今年の組織開発・人材開発のトレンドを見据え、特に注力するイシューの重点領域を定めています。
2024年の取り組みについてご紹介する前に、簡単に昨年を振り返ってみましょう。昨年のPFCの重点領域は
①「コロナ禍を経ての進化(with/after コロナ)」
②「サステイナブル経営の推進」
でした。具体的には
①「コロナ禍を経ての組織の進化(with/after コロナ)」の領域では、セルフ・リーダーシップ、チーム・リーダーシップ、エンゲージメントの向上 等
②「サステイナブル経営の推進」では、DE&I、CSVリーダーシップ、パーパス・リーダーシップといったプログラムやその組織における浸透 等
に力を入れました。クライアントの皆様も、こういった領域に注力し、取り組まれた方々が少なくないと思います。
PFCではこれらのプログラム開発やアップデートはもちろん、ウェビナーや記事発信、ご提案資料の充実などにも取り組み、様々な企業における施策のサポートを行いました。
<PFCの2024年の新たな挑戦1>
人的資本経営の中核:個人や組織のウェルビーイングの向上への取組み
今年2024年は、引き続き上記のテーマに注力することに加え、「個人や組織のウェルビーイングの向上」も重点領域とします。
ここ数年、多くの企業が組織開発や人材開発のテーマに掲げ始めた「ウェルビーイング」。その背景には、「私達の本当の幸せはどこにあるのか?」「企業や組織はいったいどうあるべきか?」など、これまでの価値観の枠組みでは解き明かせない人類の根源的な問いが横たわっています。PFCは、これまでも常にこの根源的な問いに向き合ってきましたが、今年はより実践的で具体的なプログラムを皆様にご提供していきます。
ウェルビーイングは、人的資本経営の考え方とも深く結びついています。人材をコストではなく資本、つまり付加価値を生み出す源泉と考えるのであれば、ウェルビーイングの向上は避けては通れないテーマです。しかし、具体的にどのような取組みを行っていけばよいか、あるいは、企業運営にどのように取り込んでいけばよいかについては、まだまだ試行錯誤の段階にあり、明確なソリューションが見いだせていない企業が少なくないように思えます。
ウェルビーイングとは、簡単に言えば一人ひとりの「幸せ」や「健康」となります。厚生労働省は「ウェルビーイングとは、個人の権利や自己実現が保障され、身体的、精神的、社会的に良好な状態にあること」と定義し、世界保健機関(WHO)も「健康とは、病気ではないとか、弱っていないということではなく、肉体的にも、精神的にも、そして社会的にも、すべてが満たされた状態にあること」としています。一過性の状態である「ハピネス」や「ヘルス」に対し、「ウェルビーイング」は永続性のある(サステイナブルな)状態であることが違いです。
私達は、ウェルビーイングは、社会や組織との関わりによって高めることができる点に着目しています。そして、ウェルビーイングの向上は「人生の充実」に直結しており、それを個人に対し企業や組織がどう提供できるのか、ということについても知見とソリューションを提供したいと考えています。
<PFCの2024年の新たな挑戦2>
21世紀の「善い企業」:Bコープのムーブメントを加速する活動
多くの企業がサステイナブル経営を志していますが、2024年は、Bコープに関する私達の経験や知見を皆様に還元していくことで、このムーブメントを加速したいと考えています。
ここで「Bコープ」について軽くおさらいしましょう。
Bコープは、非営利団体B Lab(米国ペンシルバニア)が運営する国際的な認証制度で、「世界標準の良い会社」「社会や環境に配慮した公益性の高い企業」に与えられる非常に栄誉な認証です。審査は極めて厳格で取得が難しく、日本国内のBコープ企業は、ダノンをはじめわずか19社(2023年1月末時点)に過ぎませんでした。(世界では同時点で5925社が取得)。PFCは、2023年2月6日に、日本では20番目の「Bコープ企業」となりました。
取得に当たっては株主のみならず、従業員・顧客・取引先・地域社会・地球環境といったすべてのステークホルダーに対する Benefit(便益)を重視した経営の実践が求められます。PFCでは社内にタスクフォースチームを編成し、社員全員で2年越しで取り組み、昨年の取得に至りました。
(Bコープ、および弊社の取得の経緯については、こちらをご覧ください。)
Bコープが他の多くの認証と大きく異なる点は、認証取得はゴールでも目的でもないという点です。認証取得後には様々な活動を行うことが期待されます。実際私達がBコープ認定企業となったときにも、「おめでとう。Bコープの一員となりましたので、これから、このムーブメントの一翼を担ってもらいます。」というメッセージがB Labから届きました。また、一度認定企業となった後も、認証取得時の水準が維持できなかった場合には、認定が取り消されます。Bコープ認定企業であり続けることは、サステイナブル経営の継続に直結しているのです。
そこで、今年はBコープに関する私達の経験や知見をクライアントの皆様にお伝えしていくことに挑戦します。取り組みのひとつとして多摩大学で『21世紀の「善い企業」の条件~持続可能な社会を実現する企業経営の実践~』を開講します。社会人向け教育に定評があり、一貫して実学教育の実践を追求してきている多摩大学で、講座を通じて、多くの皆さんと学び、議論するのが今から楽しみです。
また、企業やビジネスリーダーの皆さんを、持続可能な社会の実現を担う善い企業づくりへといざなうことを目指し、「Bコープ・コンサルティング」(Bコープの認証取得をサポートする)の提供を開始します。
<PFCの2024年の新たな挑戦3>
未来の経営人材育成:カンボジアの大学発スタートアップでの越境体験×経営修行
PFCではこれまでもGAIAプログラム等を通じて、グローバルな舞台で活躍できる次世代リーダーを育成してきましたが、その一環として、GCEPを本格始動します。
GCEPは、カンボジアにあるキリロム工科大学との共同開発プログラムで、カンボジアのスタートアップ・ベンチャーでの数か月の経営修行を中心とするプログラムです。プログラム名の「GCEP」は「Global Corporate Entrepreneurship Program」の頭文字。以下のような様々な経験を通じて、次世代経営を担う人材に越境体験と経営修行の機会を提供する画期的な内容になっています。
・G=グローバル:カンボジアという日本から離れた舞台で、異文化チームを率いる越境体験をする
・C=コーポレート:NPOではなく企業の現場、しかも、大企業の既存事業ではなくスタートアップ事業での経験を積む
・E=アントレプレナーシップ:インターンシップという形態とはいえ、C“X”Oとして赴くので、製品・サービス企画からマーケティング、セールス、ファイナンスに至るまで、一通りの経営責任を担う
イノベーティブな考え方や胆力が問われる海外でのスタートアップ事業の経営体験。様々な価値観に触れて、自組織で働いているときには得られなかった新たな視点も体得でき、GAIAプログラム同様、真の経営人材に成長する機会を提供するのに最適なプログラムとなっています。
既にお問い合わせも頂いており、昨年秋には、あるクライアントの人事マネジャーの方と共に現地を訪れました。
大学でスタートアップ・ベンチャーを立上げ、事業運営している若者達が話す英語は実に流暢で、自分達のビジネスモデルを活き活きとプレゼンテーションしてくれました。ビジネスや企業についてより深く学びたい、海外で働きたいといった意欲から、私達日本から来たビジネスパーソンにも矢継ぎ早に質問が投げかけられました。また、共にこのプログラムを運営するキリロム大学のマネジメント陣や教授陣、スタッフも国際色豊かで、私自身も大いに刺激を受けました。
現地のスタートアップ・ベンチャーを率いる日本人リーダーのお話も印象的でした。
「タイには10万人近くの在留邦人がいるが、カンボジアには1500人しかいない。しかも、現地法人がないから企業の駐在員がほとんどいない。従って、カンボジアでは日本人サラリーマンでつるんでいる人達をほとんど見ない。自分も日本でサラリーマンをやっていたときは、やはり、サラリーマンとしか付き合っていなかったが、ここでは付き合って刺激を与え合う人が変わった。」
GCEPで、真にたくましい経営人材の育成のご支援ができると確信しています。
おかげ様で今年PFCは創業30周年を迎えます。
最後になりますが、本年も皆様と、組織開発・人材開発に関する様々な取り組みをご一緒させていただくことを、心より楽しみにしております。
皆様にとって、素晴らしい2024年になりますように。引き続き、どうぞ宜しくお願い致します。
(株)ピープルフォーカス・コンサルティング 代表取締役 松村卓朗